あなたは「パリ・オートクチュールの正会員になった日本人ってどんな人?」と気になっていませんか?
私も知らなかったので、今回詳しく調べてみました!
この記事を読めば、オートクチュールの世界や、異国の地で活躍するデザイナーがまるっと分かって、よりファッションへの情熱が燃えること間違いなしですね♪
こちらの商品は、ミシンを使った仕立てのテクニックが詰まった本です。
基本のテクニックからプロの技まで、わかりやすく解説されています♪
独学で洋裁を始め、次は素材やデザインを変えてレベルアップしたいあなたにピッタリの1冊ですよ。
目次
パリオートクチュールの正会員となった日本人の森英恵さんを紹介
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森英恵さんは1977年に日本人として初めて、パリ・オートクチュールの正会員に認定され、大きな功績を残したデザイナーです。
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すごい!日本でそんな人がいるなんて誇らしいね!
森英恵さんって一体どんな人生を送ってきた人なんだろう?
森英恵さんは、東洋の美意識を世界に届け、日本人デザイナーの道を切り拓いてきた偉大な人物です。
その人生と功績を振り返ってみましょう!
森英恵さんは東京女子大学を卒業後、主婦業をこなしながら、洋裁を学びます。
デザイナーとしてのキャリアの背景には、戦時中の過酷な体験がありました。
空襲下の東京で「美しいもの」に憧れを抱き、自らミシンを踏んで服を作り、美を求め続けたといいます。
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過酷な時代であっても、ファッションへの情熱を絶やさず、突き進む姿がかっこいい…!
そして1951年には東京・新宿に「ひよしや」というアトリエを兼ねた店舗を開店しました。
この頃に映画衣装の依頼も受けるようになります。
約10年間の間に、数百本もの映画衣装を手がけ、日本映画の黄金期を支えました。
映画を観るときに衣装にも注目したら、「どういう意図で作ってるのか」など、新たな視点で楽しむことができそうですね♪
世界への進出のきっかけとなったのは、1961年に訪れたフランスとニューヨークでの出来事でした。
フランスでは、オートクチュール(オーダーメイド1点物の高級仕立服)のショーでシャネルに刺激を受けます。
東洋人で初めてシャネルのサロンを訪れ、自分のためにスーツをオーダーしました。
ココ・シャネル(ガブリエル・シャネル)との出会いが、森英恵さんのデザイナーとしての道標となったそうです。
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シャネルとの出会いで「服ではなく、中身の女性が自然に引き立つ服」を知り、オーダーメイドの服作りを学んだそうです。
同じ年の夏に訪れたニューヨークでは、さらに日本の美を意識する出来事がありました。
デパートの地下で売られていた粗悪な「メード・イン・ジャパン」の衣服。
現地のオペラ「マダム・バタフライ」で描かれていた、畳の上を下駄で歩く蝶々夫人。
日本の文化が雑に消費されてしまっていると思うと、とても悲しい気持ちになりますよね…。
森英恵さんはこれらに対する羞恥と怒りで「日本の美意識を世界に知らせたい」と心に決めたといいます。
1965年にはニューヨークで初コレクションを発表し、その後もモナコのショーなど数々の国際的な舞台で評価されました。
そして1977年にはパリ・オートクチュール組合に加入し、東洋人初の正式会員として認定されました!
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1985年にはオペラ「蝶々夫人」の衣装も手がけ、蝶モチーフといえば森英恵というイメージが定着しました。
2022年に96歳で他界した森英恵さんですが、その功績は今も世界中で語り継がれています。
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厳しい世界で挑戦する姿は、多くの人に影響を与えたんだろうなぁ。
正会員という肩書きを手にいれ、世界に認められた森英恵さんに、尊敬の念がやまないです。
パリオートクチュール公式ゲストに選ばれた中里唯馬さんを紹介
中里唯馬さんは、日本人として2人目のオートクチュールコレクションに招待された人物で、公式ゲストデザイナーとして活躍しています。
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ゲストデザイナー?一体何が違うの?
パリ・オートクチュール組合は「正会員」「ゲストデザイナー」「特別会員」の3つで構成されています。
森英恵さんは正会員で、中里唯馬さんはゲストデザイナーとして招待されました。
日本人がオートクチュールコレクションに招待されたのは、森英恵さん以来12年ぶりの快挙として、大きな話題になっています!
そんな中里唯馬さんの取り組みについて、詳しく紹介していきますね♪
ブランド「YUIMA NAKAZATO」は「全ての人に一点ものの衣服を」というデザイン哲学を掲げています。
服が大量生産されている中で、一人ひとりの個性を引き出す服を作りたいという思いから、オーダーメイドを重視しているそうです!
学生時代に伝統工芸の素晴らしさを学び、西陣織や江戸切子などの技術を、最先端の印刷技術やシステムと組み合わせたデザインを生み出しています。
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最新技術と組み合わせることで、後継者不足の問題を抱える伝統工芸を、より多くの人に広めたいと考えているそうです!
また、環境問題にも強い関心を持っており、ファッションによる環境負荷を減らすための取り組みを行っているそうです!
その一つとして「TYPE-1」というプロダクトを開発中で、循環型のファッションを目指しています。
針と糸を使わない特殊な素材で組み立てられており、何度でも繰り返し素材の付け外しができるのが特徴です。
好きなパーツを組み合わせてデザインを変えたり、傷んだ部分だけ交換したりすることで、長く着続けることができるようになります!
TYPE-1が普段着として広がれば、買い替えの頻度が減って、無駄な廃棄物も減らせるようになりますよ。
おしゃれを楽しみながら、環境にも優しいファッションができるなんて、ワクワクしてきますね♪
私も自然が大好きで環境問題には関心があるので、中里唯馬さんの活動にとても共感しました!
「燃えるドレスを紡いで」というドキュメンタリー映画では、大量生産・大量消費のファッション産業を変えようとする姿が映し出されています。
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服を選ぶときには、環境問題の観点から、私にもできることはないか考えていきたいと思います!
パリオートクチュール組合には各国のデザイナーが参加している
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パリ・オートクチュール組合には、フランス国内だけでなく、世界各国のデザイナーが参加しています。
デザイナーの出身国を見ると、フランスが1番多く、その次にイギリスやドイツなど、ヨーロッパ圏が中心となっています。
ブランド | 創始デザイナー | 現デザイナー |
---|---|---|
シャネル | Gabrielle Coco Chanel(フランス) | Karl Lagerfeld(ドイツ) |
クリスチャン・ディオール | Christian Dior(フランス) | John Galliano(イギリス) |
クリスチャン・ラクロワ | Christian Lacroix(フランス) | |
ドミニク・シロー | ||
エマニュエル・ウンガロ | Emanuel Ungaro(フランス) | |
ジバンシー | Hubert de Givenchy(フランス) | Ozwald Boateng(イギリス) |
ハナエ・モリ | Hanae Mori(日本) | |
ジャン・ポール・ゴルチェ | Jean-Paul Gaultier(フランス) | |
ジャンルイ・シェレル | Jean-Louis Scherrer(フランス) | Stephane Rolland |
トラント | Julien Fournie | |
バルマン | Pierre Balmain(フランス) | Christophe Lebourg(フランス) |
フランスの伝統文化と深く結びついていることから、フランスが多いのかもしれません。
その中でも日本人として唯一、森英恵さんが正会員になったことは、素晴らしい功績ですね!
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森英恵さんの功績のおかげで、日本のデザインや技術が世界に広まり、今もファッションの世界に影響を与え続けていますよ!
パリオートクチュール組合は高級仕立服の品質を守るための団体
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パリ・オートクチュール組合は、通称サンディカともいわれ、高級仕立て服の業界団体になります。
オートクチュールと呼ばれる高級オーダーメイドの服を作るメゾン(ブランド)を統括しています。
オートクチュールと名乗ることができるのは、パリ・オートクチュール組合の加盟店のみになるそうです!
オートクチュール組合の加盟店は、以下のような厳しい規定を守っていく必要があります。
- 1年に2回コレクションの発表を行うこと
- 生地の選定から縫製まで、一貫して行うためのアトリエをパリに持つこと
- 作業の大半を手作業で行うこと
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日本では、加盟店に限らずオーダーメイドの服を扱うブランドやファッションを、オートクチュールと呼ぶことがあります。
プレタポルテといわれる既製服(大量生産された服)が出てきたことで、オートクチュールの顧客が減り、今はほとんどが赤字経営となっているそうです。
それでもオートクチュールを作り続けているのは、ブランドの価値を高めることができるからです。
ディオールなど、ブランドの化粧品や香水を身につけたら、物を持ってるだけでウキウキした気持ちになれますよね♪
刺繍や縫製技術など、ファッションの土台ともいえるオートクチュールを大切にすることで、ブランドの格が上がり、他の商品も売れる仕組みだそうです。
とても高価なオートクチュールの主な顧客は、世界中の王族やセレブ、ファーストレディで、近年は中国やドバイの富裕層も注文されています。
総数ははっきりしていませんが、世界中に500人ほどいるといわれています!
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一人ひとりの体型や好みに合わせてデザインされる、世界に一つだけの特別な服…一度でいいから着てみたい!
パリといえば、おしゃれな街並みや建築物も有名ですよね!
こちらの記事ではリノベーションの観点から、パリのルーブル美術館など有名な建築を紹介しています。
リノベーションに興味のあるあなたは、ぜひチェックしてみてくださいね♪
パリ在住の日本人デザイナー女性3人を紹介♪
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パリ在住の日本人デザイナー女性である、石坂紀子さん、島田順子さん、石井美佳子さんの3人を紹介します!
パリ在住だけでかっこいいなと思ってしまいますが、さらに日本人デザイナー女性として輝いている人たちが、こんなにいるんだなと衝撃を受けました!
異国の地で活躍する日本人を知ることで、パワーと勇気をもらえて、あなたが挑戦したいことへの背中を押してもらえるかもしれませんね♪
ただ、色んなことに挑戦していると、少し疲れてしまうこともありますよね。
この記事では、気持ちを切り替える方法や考え方など、詳しく紹介しています!
心と身体をケアしながら、楽しく行動していきましょう♪
旅先の経験や出会いをデザインに活かすデザイナー石坂紀子さん
石坂紀子さんは、女性職人によるハンドクラフトの作品のブランドを立ち上げ、女性の自立支援にも携わっています。
石坂紀子さんは「MAISON NH PARIS(メゾンエヌアッシュパリ)」というブランドを立ち上げ、デザイナーをされています。
マダガスカルやインドの文化からインスピレーションを得たデザインで注目を集めています。
ヤシの葉からとれる天然素材を使ったクロシェ編みや、インドのマクラメという織物など、温かみのあるハンドクラフト製品がとても可愛いブランドです。
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チャリティイベントを開催して、被災地を支援する活動も行っているそうです。
パリ在住のおしゃれな生活も憧れます!
80歳を超えた今もデザインの第一線で活躍する島田順子さん
島田順子さんは、年齢に関係なく好きなことを続ける大切さを伝え、多くの女性に影響を与えています。
ブランド「ジュンコ・シマダ」を手掛け、40年以上にわたってパリで活躍しています。
80歳を超えた今も、日本人デザイナー女性として現役でデザインを続けているそうです!
「苦しいこともあるけれど、自分らしく自由でいたい」という思いを大切にし、年に2回のコレクションを発表しているそうです。
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自然でさりげない美しさを見せるデザインが素敵ですよね。
自分の好きを追求する姿がかっこいい!
メイドインフランスの服で女性の魅力を引き出す石井美佳子さん
石井美佳子さんは、身体のラインに合わせたデザインや着心地の良い素材選びなど、技術力が高く評価されています。
2006年に「AMBALI(アンバリ)」を設立。
フランス国内だけでなく、アメリカ市場にも進出し、多くの人に愛されているブランドです!
トレンドに流されることなく、いつの時代にも美しく、着る人を女性らしく見せるような洋服を作ることを大事にしているそうです。
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フランス製にこだわり、エレガントなデザインを日本人の体型に合わせて作っているそうです。
可愛いデザインで私も着てみたい!
パリオートクチュール2025年コレクションは春夏と秋冬の2回開催
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パリ・オートクチュール・コレクションは、春夏と秋冬の年2回で、2025年の春夏は1月27日から30日の4日間行われました。
パリ・オートクチュール・コレクションとは、世界のトップデザイナーたちが最新のオートクチュールを発表するイベントです。
今年はディオールやシャネルなど、37の有名ブランドが参加していました。
1月29日には、中里唯馬さんのブランド「Yuima Nakazato」のコレクションも披露されていました!
先日パリのオートクチュールウィークにて発表された、日本人デザイナー中里唯馬氏による新作クチュールコレクション"FADE"
—(@dress_holic) January 30, 2025
この儚げで神秘的な衣装たちが、東京で見られるなんて…!
2月3日から東京シティビューにて開催される
『YUIMA NAKAZATO展… https://t.co/WIFSYrvQZW pic.twitter.com/2quEKtMUYe
このようなパリで行われるファッションウィーク(1週間前後で行われるコレクション)は2つあり、オートクチュールとプレタポルテに分けられます。
プレタポルテ・コレクションは、ウィメンズとメンズで時期を分けて、春夏と秋冬のコレクションを開催しています。
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各期間で、こんなにいろんなコレクションをしているとは知りませんでした!
オートクチュール・コレクションの春夏は見逃してしまったあなたも、まだこれから秋冬のコレクションがあるので、楽しみに待つことができますね♪
ブランドだけでなく有名なモデルさんもたくさん出ていることを知ったので、私も次回は注目して見たいと思います!
春夏のコレクションを見たい場合は、ファッションプレス公式サイトにある動画や写真で、ブランドごとのショーの様子を見ることができますよ!
気になるあなたは最新のデザインやトレンドを、ぜひチェックしてみてくださいね♪
まとめ
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- 森英恵さんは、1977年に日本人として初めて、パリ・オートクチュールの正会員に認定され、大きな功績を残したデザイナー
- パリ・オートクチュール組合は、通称サンディカともいわれ、高級仕立て服の業界団体のこと
- パリ在住の日本人デザイナー女性である、石坂紀子さん、島田順子さん、石井美佳子さんの3人を紹介
- パリ・オートクチュール・コレクションは、春夏と秋冬の年2回で、2025年の春夏は1月27日から30日の4日間行われた
パリ・オートクチュールの正会員に、唯一の日本人として森英恵さんが選ばれていたことが誇らしいですね。
正会員ではないですが、公式ゲストデザイナーとして中里唯馬さんもオートクチュールの舞台で活躍し続けています。
オートクチュールの世界を知って、あなたのファッションをより楽しいものにしていきましょう♪
服の仕立ての方法が、写真付きで分かりやすく解説された本です。
パリコレにも携わった方が書かれているので、本場の技術を学ぶことができます♪
仕立ての例が豊富なので「ここどうやってやるんだっけ?」と迷ったときに、サッと調べられる便利な1冊ですよ!