米ぬかが発する発酵熱は、畑の温度を調整するための温床や、酵素風呂に利用されています。
発酵熱について、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
発酵熱の存在は知っていても、そのメカニズムや詳しい温度などはあまり知られていないのではないでしょうか?
そこで、発酵熱が発生する原因や温度を調べてきました。
本記事を読めば、ぼかし肥料に用いられる材料の役割も知ることができるので、ぜひ参考にしてください。
米ぬかで肥料を作りたいのであれば、促進剤を使えば簡単に発酵を後押しできますよ!
コーランネオの発酵促進剤は微生物の分解を助ける菌や、活力となる栄養が満点です!
脱臭作用があるため、鶏糞や牛糞を混ぜても匂いを抑える効果が期待できます♪

目次
米ぬかの発酵熱は活発な微生物により放出され約30℃に達する

微生物たちが放出する発酵熱を利用した温床は、米ぬかによって活発になり、約25~30℃の温度で作物をあたためます。
温床を使い土の温度を上げれば、野菜を寒さから守ったり、収穫時期をコントロールしたりすることができます。
温床というのはあたたかな苗床のことを指していて、電気によって土を温める電熱温床というものがあります。
電熱温床の場合、稼働させている間はずっと通電しているので、使えば使うほど電気代がかかります。
温床は米ぬかを使えば天然素材だけで作ることができるので、余計な電気代をかけずに済みますよ♪
米ぬかが発酵するときに発生する熱を「発酵熱」といいますが、この発酵熱を利用して苗床をあたためます。
さっそく、米ぬかで作る「踏み込み温床」の材料をご紹介しましょう!
ちなみに、米ぬかは500gから販売されていることが多く、価格は10kgおよそ900〜2000円と商品によって差があるようです。
- 落ち葉や枯れ葉
- 米ぬか
- 水
あらかじめ用意した木枠などに落ち葉もしくは枯れ葉と米ぬかを入れて混ぜます。
そこに水をかけたら、踏み込むようにギュッギュとその上を歩いて刺激を与えて、しばらく放置。
順調にいけば、発酵熱が発生して4〜8日ほどで温度が上がります。
その後、少し温度の下がった状態が安定する9〜20日目の期間に、踏み込み温床の上に苗箱を設置して利用できます。
ふたたび温度が上昇する時期もあるため、およそ2ヶ月間、温床の効果は続きます。
この踏み込み温床は、各農家が考案するレシピがたくさんあるので、興味があれば調べてみてください。

発酵熱はどうして起きるの?!
発酵熱は微生物たちにたくさん働いてもらって発生させます!
まず、発酵とは微生物たちが有機物を分解すること、ですよね。
この分解を行うとき、微生物たちは少なからず熱を放出します。
枯れ葉や野菜のくずなどの有機物を与え、さらに活力源となる米ぬかを与えることで、微生物たちをフル稼働させ、たくさんの発酵熱を生み出させる!という仕組みです。
米ぬかを利用した酵素風呂も、この発酵熱をうまく利用したサービスです。
天然素材でできているので、安心して触れることができる60~70℃の温度になります。

じゃあ、酵素風呂ってすっごく熱いの?!
サウナと違って酵素風呂は湿度の低い乾式入浴なので、体感温度は40~45℃程度です。
踏み込み温床の場合、利用できる2ヶ月間は25~30℃程度の温度になります。
やさしい発酵熱を利用すれば寒さから守られ、人も植物も快適に過ごすことができます♪
そんな米ぬかの発酵熱を利用したカイロの作り方が以下の記事で紹介されています!
寒さが大敵のシニア犬にも、安心して使ってもらえます♪
土壌を改良するぼかし肥料は米ぬかを使って約2週間でできる

米ぬかには植物の成長をうながす成分が含まれているため、材料を混ぜて放置すれば2週間程度でぼかし肥料を作ることができます。
野菜や植物を育てるときに適量の肥料を用いれば、成長するための栄養となり発芽や生育をうながします。
米ぬかによる発酵を活かして作られる「ぼかし肥料」であれば、材料はすべて天然由来なので安心して作物に使えますよ♪
有機物を微生物たちが分解して「ぼかす」ため、そこからぼかし肥料と呼ばれるようになりました。
そもそも米ぬかには土に含まれる病原菌を減少させたり、土を良質にする働きがあります。
白米にするため、玄米から取り除かれる外皮、それが米ぬかです。
果物や野菜の皮には栄養が豊富、とよくいわれますが、同じように皮である米ぬかにも栄養がたっぷり!
肥料に、必ずといってもいいくらい入っている成分が、窒素、リン酸、カリウムですが、米ぬかにはこの三大要素がバランスよく含まれています。
そのうえ、伸長をうながすビタミンB1や、葉緑素を生成するためのマグネシウムなど、作物を元気にする成分も持ち合わせているため、まさに肥料にふさわしい存在です!
米ぬかで「ぼかし肥料」を作るには以下のような材料を使います。
- 野菜のくずや油かす
- 米ぬか
- 腐葉土
こちらがだいたいの材料ですが、なかにはコーヒーのかすを入れたり、ヨーグルトや納豆の菌を混ぜたりするレシピもあります。
これらの材料をバケツに入れてよく混ぜ、密閉状態で保管。
毎日かき混ぜながら、10日〜2週間ほど発酵させて、発酵熱の温度が安定すれば完成です。
レシピによって分量は異なるため、どんな素材で作りたいか、用途も踏まえて調べてみてください。
米ぬかの酵素風呂は発酵熱であたたまるうえ美容成分がたっぷり

米ぬかの発酵熱を利用した酵素風呂は体内をじんわりあたため毒素の排出を手伝ったり、ミネラルやビタミンなどで肌を整えたり、健康と美容に効果的です。
前述したように、米ぬかの発酵熱は60~70℃まで上がります。
米ぬかの間には空気がふくまれているため、体感温度は40~45℃程度になり、心地の良い入浴を叶えます。
発酵熱を利用すれば、エステで得られるような血行促進や冷えむくみの解消といった効果が期待できます。
さらに、あたためる以外にも米ぬかには肌を美しくする成分がたくさん含まれています。
- γ-オリザノール
- セラミド
- ビタミン
- 脂肪酸ナトリウム
- オリザブラン
- γ-オリザノール
米ぬか特有の成分であり、ポリフェノールの一種です。
- セラミド
お肌が水分を保持するために必要な成分なので、十分に与えることでキメが整いふっくらします。
- ビタミン
米ぬかに含まれるビタミンEには抗酸化作用があるため、サビや乾燥を防ぎ、肌にハリを与えます。
- 脂肪酸ナトリウム
脂肪酸ナトリウムとは洗浄成分のことで、米ぬか洗顔はこの成分を生かした洗顔方法です。
- オリザブラン
肌の水分量を一定に保つ働きがあるため、肌荒れを防ぎ、みずみずしい肌にしてくれます。

米ぬかの酵素風呂は美容液に全身浸かっているようなものだね!
そのとおり!ほかにも、シミやそばかすを防止する作用や、紫外線から肌を守る作用など、美肌につながるような効果がたくさんあります!
栄養が豊富な米ぬかをそのまま撒くと害虫を招きかねない

米ぬかをそのまま、植物や野菜が栽培してある土に撒くと、成長を妨げたり害虫を招く恐れがあります。
栄養満点で肥料も作れる米ぬかですが、そのまま畑に撒けば土壌の成分バランスを崩し、むしろ野菜や植物の成長を妨げてしまうかもしれません。
さきほど紹介した発酵熱も、発生したばかりだと温度が高いため、むしろ植物に悪影響になります。
また、栄養価が高いからこそ、害虫を引き寄せてしまうという一面も兼ね備えています。
米ぬかをそのまま撒いて放っておけば、ウジやナメクジが湧いたり、スズメを引き寄せたりすることもあります!
米ぬかをそのまま撒く場合はごく少量から試す、生態が活発な夏を避ける、など工夫してください。
米ぬかの発酵方法は菌を活発にする材料を混ぜて放置するだけ

米ぬかの発酵方法は、材料を混ぜて放置する、といったシンプルなものが多く、菌を増やしたり、活発にしたりするためにさまざまなレシピが考えられています。
入れ物は、バケツ、おけ、ダンボール、ビニール袋、鉢など、袋か箱状のものをよく使います。
また、平たい地面にシートを敷いてその上で、はみ出さないように作る場合もあるようです。
- 材料を入れる(米ぬか、枯れ葉、水など)
- 混ぜる
- 密閉させて放置
- 毎日1回かき混ぜる
- 1週間ほどで完成(発酵開始)
ぼかし肥料の発酵方法はだいたい、このように材料を混ぜて放置するというもの。
人によっては途中で乾燥させたり、米ぬかと水を足して量を調整したりもします。
シンプルな手順であるにも関わらず失敗してしまうのは材料の分量が間違っている可能性があります。
材料はそれぞれが役割を担っており、存分に発酵してもらうためにバランスを考え、レシピを考案されています。
材料の役割を知っておけば、間違いを防ぎ、肥料づくりの失敗を減らせるかもしれません♪
よくぼかし肥料に使われる材料を、役割ごとに分けたものが以下になります。
- 有機質資材…油かす、骨粉、カキ殻、カニ殻、鶏糞
- 発酵促進剤…ヨーグルト、米麹、納豆
- 菌のエサ…糖蜜、黒砂糖
- 有機質資材
油かすやカキ殼、鶏糞などは土の通気性を良くしてくれるうえ、肥料成分となるリン酸や窒素、カルシウムを豊富に含んでいます。
微生物たちのエネルギーとなる、土台のような役割が有機質資材であるといえます。
- 発酵促進剤
その名の通り、発酵を後押ししてくれる材料が、ヨーグルトや納豆などの発酵促進剤。
米ぬかにもたくさんの菌が含まれていますが、さらなる活性化を狙いこれらの菌を追加で入れるレシピもあります。
- 菌のエサ
乳酸菌主体の肥料を作るときによく用いられるのが糖蜜。
こちらも微生物たちが活性化するため、ぼかし肥料の材料として用いられることがあります。

本来捨てるはずだったものも肥料になるんだね!
できた肥料は庭や畑に使えますし、少し残して種菌として利用すればもっと簡単な発酵方法で肥料を手軽に作れるようになりますよ♪
米ぬかに含まれる菌を4つ紹介!作物を病害から守る効果あり
米ぬかに含まれる菌は乳酸菌や酵母菌など4つあり、それらの菌は作物を病害から守る働きがあります。
同じ畑や庭で、同じ作物を栽培していると土のなかの微生物の種類に偏りが発生します。
偏食家が体調を崩しやすいのと同じように、特定の微生物が増え土壌の栄養素が偏ると、病害を招く原因になります。
そのため、あえて違う微生物を増やすといった工夫が必要です。
そこで有効なのが米ぬかで作った、ぼかし肥料。
ぼかし肥料は土にたくさんの微生物を増やせるうえに、米ぬかから発生した菌によって作物を病気から守ってくれます。
- 乳酸菌
- 酵母菌
- トリコデルマ菌
- 納豆菌
これらの菌は、病原菌の活動を鎮めたりやっつけたりしてくれます。

米ぬかは、野菜や植物が病気になるのを防いでくれる!
ぼかし肥料は土壌に働きかけるため作物に悪影響はほとんどなし
ぼかし肥料は作物への直接的な栄養ではなく、土壌を改良するための肥料であるため、与えすぎによる作物への悪影響が少ないです。
土に撒かれたぼかし肥料には栄養がたっぷり含まれているため、微生物たちが大量に発生します。
その土は、集まった微生物たちの分解した養分で溢れ、その養分を種子や作物が吸収することで、発芽や生育をうながします。
このように、ぼかし肥料の栄養は作物に届くまで多少時間がかかるため、急激な栄養の変化による根腐れを防ぎます。
与えすぎると作物は肥料焼けしてしまう場合がありますが、ぼかし肥料は多少与えすぎても、悪影響になりづらいため、安心して使えます。
米ぬかによる発酵液の作り方は材料を混ぜておよそ3日放置する

発酵液の作り方は、米ぬかやそれ以外の材料を容器に入れて2〜3日放置するという簡単な方法で、ヨーグルト作りや掃除など使い道がさまざまです。
前述したように、米ぬかは乳酸菌を培養することができます。
乳酸菌は人体に嬉しい効果をもたらすため、日々の食生活で意識して取り入れているご家庭も多いのではないでしょうか。
米ぬかは乳酸菌をたくさん含んだ発酵液を作ることができます。
作り方は簡単で、ペットボトルなどの容器に材料を入れて発酵させるだけ。
材料もスーパーで売られているような、ごく一般的なものです。
- 水
- 米ぬか
- 米粉
- 塩
- 砂糖
砂糖以外の材料をペットボトルに入れて一晩置きます。
翌日、菌のエサとなる砂糖を入れ、2〜3日経てば完成です。
放置している間も発酵しているため1日に1回はフタを開けてガスを抜き、1日に1〜2回は容器を振って混ぜてましょう。

発酵液の作り方って簡単!
手順は簡単ですが、材料の分量はレシピによってかなり差があります。
お口に合う合わないが出てくると思うので、興味があれば調べてみて、あなた好みの発酵液を探してください。
このようにしてできた発酵液は飲む以外にもお掃除やスキンケアにも使えるので、1つ作っておけば身体の内側からお部屋全体までキレイにできますよ♪
- 作物の肥料や害虫対策
- 入浴剤
- 消臭
- 洗浄
- ヨーグルト作り
もっと米ぬかを美容のために使いたいとお考えのあなたに、米ぬかパックの記事をご紹介します!
気軽に使える市販の米ぬかパックも紹介されています♪
まとめ

- 微生物たちが放出する発酵熱を利用した温床は、米ぬかによって活発になり、約25~30℃の温度で作物をあたためる
- 米ぬかの発酵方法は、材料を混ぜて放置する、といったシンプルなものが多く、菌を増やしたり、活発にしたりするためにさまざまなレシピが考えられている
- 発酵液の作り方は、米ぬかやそれ以外の材料を容器に入れて2〜3日放置すれば簡単にできて、ヨーグルト作りや掃除など使い道がさまざま
微生物たちのがんばりによって発酵熱は生み出されているようですね。
電力や火力を使えば簡単ですが、自然の循環を利用すれば人や植物にやさしい安全な熱が手に入ります。
少し手間はかかりますが、そのやさしい熱を作って触れてみてはいかがでしょう?
ぼかし肥料を作りたいのであれば、発酵促進剤を使えば失敗しづらいです!
1つあれば、肥料のみならず腐葉土作りやコンポストにも活用できます!
ホームセンターや園芸ショップより、オンラインで購入するほうが安い場合もあるようなので要チェック!
